FIGHTING SPIRIT

市場は1兆円を突破したという。
平均成長率は20%という。
現代の花形産業、21世紀の基幹産業という。
ソフトウェア産業バラ色論を唱える声はかまびすしい。

しかし忘れてはならない。

正しい認識のもとで経営を展開するソフトウェアハウスのみが
21世紀のビックビジネスたりうることを。

吉正はFIGHTING SPIRITを失わない。


吉正の“き”


願う


技術者による、技術者のための、ソフトウェアハウス願望

吉正電子(株)社長、櫻井正次。

昭和51年3月、彼は吉正電子を創立し、青年実業家としてのスタートを切った。

突然の転身は、周囲を驚愕させるに充分なものがあったが、櫻井にしてみれば決して山師的な発想からとった行動ではなく、むしろ崇高ともいえる理念に基づくものだった。

すなわち、”技術者による、技術者のためのソフトウェアハウス”を作ることである。

社員が200名に及ぼうとする現在も、管理部門を含めて全員がシステムエンジニアまたはプログラマーという、純粋技術者集団を貫いている。

当時、ソフトウェア技術者はマネジメントが不得手で、マネジメントされる側だった。

そのような時代に、純然たる技術者だけでマネジメントをしていこうと逆転の発想をしたのである。

櫻井正次、弱冠25歳の春だった。

はじまり

人間を単純労働から開放してくれるツール−コンピュータとの出会い

櫻井は早稲田大学教育学部数学科を卒業している。
学生時代に彼は初めてコンピュータというものを目にした。
ラインプリンタが猛烈な勢いで紙を打ち出すのを見たときのショックをたとえて、櫻井は「馬車の時代に突然飛行機を見たような驚き」と表現する。
その計算能力の高さから、「これはきっと一大産業として飛躍的に成長していくだろう」という予感が、やがて「この分野に進もう」という決意に変化するまでにそう時間はかからなかった。
当時櫻井はガードマンなどのアルバイトをよくやっていたが、そのような単純肉体労働は人間性疎外につながるとの考えを持っていたのだ。
「単純労働という行為自体を否定するわけではないが」と前置きしながらも、「コンピュータこそ人間をそういう疎外から救ってくれるものだと直感した。」と述懐する。

企てる

既存ビジネスへの挑戦を企図し、独立を決意

大学卒業後、櫻井は会計センターに就職したが、1年後には小さなソフトウェアハウスに移っていった。
さらに2年後には、そのソフトウェアハウスからも去っていくことになるのである。
会計センターの税理士は、ソフトウェア技術に経営者としての知識と興味を持っておらず、道具としか考えていなかった。
また子会社ばかりのサービス会社は、人件費対策、肥大化した計算室部門の切り離し対策、労務対策上の対処などの諸問題の基で設立されており、およそ正しい認識と理解が欠如していた。
しかも、小さなソフトウェア会社は小規模な組織ゆえに、すぐにも経営上の行き詰まりを見せてしまう。

このような状況での3年間が、櫻井に ゛技術者による技術者のためのソフトウェアハウス" という事業家としての理念を構築させることになったのだ。



人だけが財産.ゼロからのスタートを切る.


昭和51年3月、吉正電子創業。
資本面も備品面でもゼロからのスタートである。

たしかに物不足のハンデは厳しかった。信用、得意先といったものも不足していた。
とにかく死にものぐるいでいい仕事をするしか方法がないのである。
誰もが会社を発展させたいと思った。苦しい状況から抜け出したいと思った。
全員が経営−マネジメントのことを考えているのである。
創業時の苦しみの中で、企業理念は強力な組織力を生み出していったのだ。

“もの”資本ではない。この“人”の部分でこそ、吉正電子であり、今までも、これからも本当に大切なものだと思う。

昭和53年、八幡山から代々木の現在地に本社を移転。10月法人組織を株式会社に改める。
そのとき櫻井は思った。もう引き返すことはできないのだと。

かがやく

果てしない夢を追いつづけ、キラ星のごとく光り輝く

櫻井を中心に吉正電子が繰り出した数々の攻撃的戦略は、結果的に成功してきた。
企業規模は拡大し、資本金も10倍に成長。
もちろん技術力も飛躍的に向上した。

「しかしまだ先はわからない」と櫻井はいう。

「うまくいっている事はよいのであるが、それ自体が目標ではない。」
企業経営というものは、ある意味でエンドレスゲームである。

経営面で吉正電子はソフトウェア業界のトップ企業を目指している。

しかし、いつの日か吉正電子がトップに立った時、すでにその時点で次の目標が決まるはずだ。
2位以下を大きく引き離して、独走体制を固めることである。
技術面でも最先端のものを手に入れたら、次はさらにレベルの高いものを求めなくてはならない。

技術者による技術者のためのソフトウェアハウス、吉正電子はいま果てしない夢を追い続けるに足るパワー溢れる企業に成長した。

吉正の姿勢

技術者の夢を実現する理想のソフトウェアハウス

ソフトウェア業界にあって、会社に誇りをもちたい。ソフトウェアハウスとしてあるべき姿を体現したい。 それが私どもの願いです。
イージーなプログラミングを専門に受託する会社があります。その受託料は年々下がっているといいます。ディスカウント、アルバイト、パート、女性ワーカー。つまり、生産コストを徹底的に切りつめて、仕事が頼まれやすいようにし、大量にこなしていく会社があります。社会がこの類の会社を必要としていることは事実です。ユーザーがただ安くプログラミングを考えれば、必要な期日に最も安くプログラムを手に入れることができるでしょう。後のメンテナンス、総合的なシステムを考えなければ、それで充分であり、実際そういった会社も発展しています。
しかし、私どもは違います。単純作業、技術の陳腐化、安い労働力、割り切った経営、これらはいずれも私どもの目指すものとは異なります。そこでは、高い専門技術、ユーザーとの対話、本当の意味でのシステムエンジニア、プログラマーは必要ないからです。ただやっていければいいという会社が多いこの業界の中で、私どもは誇りを持てる理想のソフトウェアハウスをめざしているのです。

スケール志向か技術志向か

スケール志向。技術志向。どちらにもつかず、ソフトウェア業界が、今までと同じく曖昧でありつづけるならば、社会的信用を失うと考えます。もちろん、競争力次第ですが、安さか技術ノウハウか、ポジションは明確にする必要があります。高技術は高付加価値。全社的に技術グループのターゲットが、先端技術、高技術の複合化へと進んでいる現在、その原動力となる高い技術力が必要です。高付加価値を生み出す高技術者集団、これこそが当社のとる明確なポジションであり、ソフトウェア技術者と、情報産業を救い得ると確信するのです。

誇り、自信、そして確信

私どもは質の高い仕事を求めます。難しい使命を与えられることにより、パワーは一層高まります。
トータルな情報処理システム創りに懸命なユーザーがいて、本当に質の高いソフトウェアハウスを必要としていれば、私どもが対応いたします。技術的にも、モラルの士気の上でも、全力を挙げてその期待に応える自信がありす。
これからの社会において、ソフトウェアは絶対的に重要であり、また、戦略的にソフトウェアの価値がわかるユーザーが必ずいると信じて私どもは、それに応えるソフトウェアハウスを目指します。

吉正の事業

高品質を追求するソフトウェア開発

ソフトウェア全般の委託、および、自主開発を行います。中でも、重点を置くのは、先端技術・高技術分野。量より質の基本的発想のもと、より高品質なソフトウェア開発に取り組んでいます。普通なら嫌がるような仕事などは、逆に当社が最も意欲を燃やすところ。当社が短期間に信用・技術をを高めてきたのも、果敢にチャレンジしてきたからにほかなりません。

ソフトウェアおよびコンピュータ関連品販売

開発したソフトウェアは、逐次パッケージ化を進めています。システムやユーティリティを商品化していますが、パッケージの一般的な使いにくさをカバーするため、イージーオーダーを行います。一つ一つユーザーコンサルテーションを行うことにより、ニーズに合った手直しを行い、よる完全なものをご提供します。アプリケーション/オペレーティングシステム/ユーティリティ その他ハードウェア関連機器・用品の販売も行いますが、顧客サービスと考え、格安に提供しています。

期待に応えます.目標は「最善か無か」

私どもは、ソフトウェアの品質を期待以上のものにするために真剣に応えます。目標は徹底した品質管理「最善か無か」。

我々の展開するステージ

Operating System
Laboratory Automation
Factory Automation
Office Automation
CAD, CAM
Data Base
Network
Language Processor
New Media
Pattern Recognition
Graphics
Image Processing
Intelligent Robot
Compiler Technology
Specification Technology
Automatic Make-out Technology
Technology of Quality Guarantee
Micro Computer Development Support System
Application Program Mass Production Administration Technology
Software Development Maintenance System
Software Metric
Software Factory Production Administration System
Audit of Computer Systems
Computer Center Management
Administration of Operating System
Structure of computer System & Administration of Practical Use
Development of Practical Use Administration
Development of Computer Network
Faculty Appraisement & Forecast of Computer system
Technology Development of Reliability of Computer Service
Consultation of computer Utilize Technology

トップ インタビュー

個人の資質を最大限に生かす,それが私の使命だ

まず、会社を運営していく上での社長の経営哲学といいますか、ビジネス感といったあたりからお伺いしたいのですが。

櫻井)経営についてはこの世にいろいろな考え方があると思いますが、私が常に意識しているのは、社員ひとりひとりの資質を最大限に生かしてやること。そしてそれが最大限の売上げ、最大限の利益に結びつくようにしてやることです。
ある資本が存在して、その資本に最も効率よく利益を生ませるためにはどうするか、という考え方ではありません。

ひき抜き人事で有能な人材を導入するのではなく、内部の人間を有能な人材に育てるということですね?

櫻井)そうです。必要であれば何でも創っていくしかないと決めていますから。
効果的役割分担を重視したマネジメント、そして各小集団における現場主体の管理と統一的・合理的経営とを一体化すれば何とかなるし、外面的には平凡、普通としか見えなくても、会社は発展していきます。

これまでかなり積極的な経営戦略なり展開をしてこられたわけですが。

櫻井)独立系ソフトウェアハウスとしてやっていくためには、戦闘的、攻撃的に事業を進めていかなければなりませんから、高品質のソフトウェア開発に執念を燃やし、他社より付加価値の高いものを作ってきました。
下請け的意識ではなく、あくまで技術で勝負。結果的に高い利益体質を築くことに成功し、業績も順調に推移しています。それから積極的に資本を投下すること。マシン導入や働きやすい職場環境の整備、教育、機会損失のない営業など、生産性向上のための投資なら何でもやっています。

3大事業を柱に経営の安定化をめざす

今後の事業の柱として、コンサルテーション業務、メーカーとの共同開発、販売会社のソフトウェア開発に力を注ぐとのことですが?

櫻井)これは企業力をつけ、安定経営を図るためのものです。
まずユーザーにダイレクトにコンサルテーションを行っていくこと。ソフトウェアハウス、特に当社の場合は小回りがききますので、メーカーのソフト部門より一般ユーザーと親密になれるわけです。つまり競争力があるわけで、たとえ景気の変動があってもユーザーと長く付き合っていけます。
次にメーカーとの共同開発体制ですが、当社はメーカーのソフト部門あるいは子会社ソフトウェアハウスより技術力がある。逆に独立系ソフトウェアハウスの場合、メーカーより力がないとやっていけないわけで、私どもがここまで大きくなってきたということは、すなわち技術力の証明でもあります。そこでメーカーにもっと食い込んでいこうと考えています。メーカーにないノウハウが当社にはたくさんあるのですから。
3番目のコンピュータ販売会社のソフトウェア開発ですが、販売会社はソフト開発部門を持っていない。それならば販売会社と共同でやっていけば、下請け的な体質でなく仕事ができる。もちろん販売会社はハードを売るのが仕事なので、ハードを売り続ける限りソフトウェアハウスの仕事はなくなりません。

”人”最優先,人材への投資は惜しまない

この3大事業を経営の柱に捉えていくための課題は何でしょうか?

櫻井)これまで以上に深い業務知識と卓越した技術力が必要だということですね。これは3つの業務全てにいえることです。そのためにはやはり、より優秀な技術者を育てなければなりません。
先ほどもお話したように、必要なものは何でも創ることにしていますから。

社長がお考えになる教育とは?

櫻井)押し付け的教育は非効率的ですから、自主的、主体的に学ぶという態度がなければだめです。
ただ、自主性、主体性といった精神的なものは掛け声だけではなかなか生まれてきません。
企業であるならば、社員に好感を持たれる経営姿勢、やる気を起こさせる組織運営で社員に誇りを持ってもらうことが大切です。それから職場環境。社員がリラックスして仕事ができるように、オフィスの机や椅子に気を配ったりすることは決して無駄なことだとは思いません。いわば人材に積極的に資本を投下するということです。
1人の社員に10の利益を期待するなら1や2の投資ではとうてい少なすぎます。人間の可能性を高めていくのが事業であり、その意味で生身の人間に投資をするのはもったいないことではありませんから。

皆技術者,皆マネージャー,ハイスピード

今お話に出た組織運営の面でも、貴社は大変ユニークな形態をとっておられるということですが。

櫻井)基本的には、社内をいくつかの技術グループに分けています。それらは、おのおの技術リーダーを中心にまとまっていて、いわゆる管理職といわれるポジションには、6名がいるだけです。

わずか6名ですか?

櫻井)そうです。6名です。そして、それとほぼ同数の技術リーダーがおります。
会社の運営そのものは、管理職によって行われていますが、技術リーダーの意見が、非常に強い。

技術リーダーの意見は、やはりグループの総意を・・・?

櫻井)そうです。技術者による技術者のためのソフトウェアハウスというのが当社の志向するところですから、当然全員が経営に参加します。

このような体制だと、やはり対応のスピードも違ってきますね。

櫻井)ええ。よその会社では2ヶ月も3ヶ月も会議を続けてまだ決まらないなんて話を耳にしますが、当社は即断即決です。たとえば当社では営業もプロジェクトチームといった考えでマネージャークラスが分担して行います。
そのうえそのマネージャーも全員現役ソフトウェア技術者なので、ユーザーとの話が非常にスムーズなのです。
「すぐ見積もりがほしい」と言われても即断・即行、翌日には提出できるのです。
1週間から1週間半たって、他のソフトウェアハウスが見積もりを出すころには当社ではすでに半分くらい作りかかっている。

技術者が営業をする場合、営業力に欠けるうんぬんの話をよく耳にしますが?

櫻井)いやまったく逆で、ユーザーの技術的信頼を得ることがソフトウェア業界には必要で、大プロジェクト、高技術分野の営業はむしろ技術者でないとできないのです。

いろいろとお話してきましたが、最後にこれまでの話を要約する形で、貴社のセールスポイントをお願いします。

櫻井)そうですね。この業界はまだ歴史が浅いのですが、その中にあって、比較的企業として成熟していること。
それから組織の中のスピードがあること。そして、高度な技術者集団であること。この3つになると思います。

ありがとうございました。

追記

吉正電子は独立系のソフトウェアハウスです.

高度な技術を武器にして、他社が断るような難しい仕事や、過去に例のない最先端な技術分野の開発をしています.常に果敢にチャレンジしてきたおかげで信用と技術を高めることができました.

システムインテグレーターとして、Windowsのアプリケーションを開発し、次々とパッケージ化しそれらを総合的に統合したシステムをユーザーに提供しています。

吉正のシステムは、(分散処理を行うため)クライアントサーバ環境で使用されます。画期的な自動化ロジックを採り入れ、最初に入力したデータを再度入力することはありません。また、自社で開発した高速なデータベースを使いWANとは思えない速さでリアルタイムな処理を実現しています。FA、CIM、MIS、グループウェアなどを統合した製品など、優れた特徴を実際にお見せしたいものばかりです。

あらゆる業務をカバーし、同じデータベースでデータを共有することから、様々な要求に対応できる 「オープンな戦略的ネットワーク」をお客様に提供・サポートすることが吉正電子の主な事業の一つです。


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