| 計測日 | 2002年1月26日 午後4時30分 |
| 計測場所 | 愛知県名古屋市東区主税町 |
| 天候 | 晴れ(気温18℃,湿度58%) |
| 計測機材 | パソコン:SONY VAIO PCG-R505R/DK ビデオカメラ:SONY DCR-PC3-NTSC ステレオマイク:Audio Technica AT9450 |
計測対象![]() | 1999年式 ボルボ V70AWD エンジン:インタークーラー付ターボチャージャー DOHC水冷直列5気筒(横置き・20バルブ)[ライトプレッシャーターボ付] 総排気量:2,434c.c. 最高出力:193ps/5,100rpm(DIN) 最大トルク:27.5kgm/1,800-5,000rpm(DIN) |
| WAVEファイル |
フェラーリの場合は、後ろのマフラーのところで計測しても爆音でした。50cmの距離では79.5dBAアコー精密騒音計の測定、MIDレンジ これは今回のボルボと同一条件、ボルボを測るまで、これまで近づくことはありませんでした。つまり、うるさいので1mくらい離れていました。
ところが、ボルボは違います。後ろのサイレンサーのところでは、ザーといったノイズだけです。(それも50cmまでちかづいて)65dBAですが、雑音とエネルギーがプラスされていれば、この場合正確にはわかりません。よく抑えられたノイズです。会社のスタッフに車の排気音の測定の話をしたら「音が小さくて測定が難しい」と聞いたことをすぐに実感することになりました。しかし計測をはじめてみて、計測をして良かったと感じました。
静かで気にならない音が目前にあり、それはマフラー(サイレンサー)という消音システムが、あるときは、爆音をあるときは、静かな音を作るのですから、目の前に騒音対策のシステムが存在するという考え方に気づいたからです。
ボルボの場合は測定方法を2種類行いました。ひとつは車後ろ排気管のすぐ50CMのところにすこし、真正面からははずして、排気圧がかからないようにしました。


オーディオテクニカAT9450ステレオコンデンサーマイクを使用して、SONY DCR-PC3デジタルハンデイカムで、録音録画を行いました。ハンデイカムの設定は前日、フェラーリを行ったときと、まったく同じフルオートの測定ですが、さすがにボルボの排気音は小さく、録音レベルは非常に小さくなりました。
もともとの音量が小さいです。フェラーリより14dBくらい低い音です。フェラーリは80dBAは充分、ボルボは66dBA以下。ただ、ボルボの場合は周囲にも雑音があり、そのS/Nが充分確保できないため、マイクをマフラーにかなり近づけることになりました。50cmくらい間で近づけましたのでそのため、純粋な排気音を分析という意義でしかありません。静かで気にならない音が目前にあり、それはサイレンサーという消音システムの分析になるという考え方でしょうか。
この実験はマフラーという消音システムがエンジンの排気音を抑える効果の分析です。その解析のためには、元の音も必要なのですが、マフラーは外せないので、せめてもとフロントエンジンのフロントでも音をとっておきました。正確なのは、自動車会社さんの仕事ですね。さすがに前のほうの音は、後ろの排気音ほど静かではありません。車体にマイクを近づけるとメカニカルノイズがとれました。
デジタルハンデイカムで撮ってきた画像と音をiLinkでSONY VAIOに持ってきて、「リアルタイムアナライザー」の入力をWAVEにして解析をはじめました。
フェラーリとは騒音計のレベルが違うため、入力ボリュームを開きレベルを5dBAほど上げて、解析しました。そしてリアルタイムアナライザーで観察してみました。
以下、図版の下に説明を添えていきます。

上の図は、排気音のスペクトラムです。ピークが861HZと表示しています。

排気音の1/3オクターブ分析です。スペクトラムと同様です。

排気音のリアルタイムな自己相関表示です。
時間経過も記録してみると、

排気音の3次元グラフです。前の1/3オクターブ分析の時間経過が記 録できます。一定です。

システムの残留ノイズです。測定系が持っているノイズですが、対象 と、70dBありますから良好といえます。

エンジンを切った騒音(暗騒音)です。(屋外ですからうるいさいです)58、59、60位が普通で多いときは64dBAもあります。
次にランニングACF測定してみます。

積分時間を長くすると計算に時間がかかるので、0.2秒の積分時間でリアルタイムに一度やってみます。どちらにしろ、一度取り込んでしまえば再計算可能です。そのために入力レベルを上げてしまいました。ですから騒音値を出すことはできませんが、測定時に精密騒音計で測っていますので、ここでは自己相関のパラメーターを求めることに主眼をおくことにします。入力レベルをあげると、若干高音部分が目立ちます。

SA(音響分析システム)での計算条件です。

SAでの計算が終了しました。

Φ(0)音のエネルギー表示です。一定です。

τ1の分析結果はうなづけるものでした。
これはグラフではなく分析結果としての下の表を見てください。ACFの分析としてτ1-τ2-、、、、、τ10のデータを見てみると、0.9秒目のτ3 2.40msecと、同じくφ1、φ2、、、、、、、φ10の0.9秒目のφ3 0.08をみてみると,フェラーリのτ1に値するデータはボルボの場合はコンピューター解析上のτ3です。ただ、ボルボは同一区間に小さな山が、別に2個あります。
τ1 1.22 τ2 1.52
φ1 0.06 φ2 0.05
またτ3の山も小さいです。これらのデータとあわせてみてみると、表のτ1、τ2、τ3 はτ1’、τ2’、τ1と考えるべきでしたし、φ1、φ2、φ3はφ1’、φ2’、φ1と考えるべきでした。
単音のシンプルなものとは違い、明らかな複合音からなる基本周波数が複雑なものでした。このタイプの音は、φ1つまり、ピッチが弱く、音も低く、ピッチも定まらず、それも弱いという、気にならない音といえると思います。マフラーは爆発音をそのような音に変換するのだと思います。
なお、この表示の仕方はSAではできません。SAは前から順に1-10の番号を振るだけです。

φ1はピッチの強さです。弱い小さな値です。また本来のφ1はφ3です。コンピューターシステムは先頭から順番にτ1、2、3と数えていますが、本来、最大の山がφ1ですから、φ1’、φ2’、φ1の順番です。


これは去年イタリアで発表した、複合音の基本周波数τ1’、τ2’、....τ9’ それと関連した、φ1’、φ2’、....φ’です。

τeは5~7msecですが抑えられているので、これも一定しないところが騒音としての存在感を消しているのでしょう。

これがACFです。よく抑えられた音といえるのでしょう。
January 2002 by M.Sakurai