「SYSTEM-N」ダンボール工場生産管理システム
システム解説書

生産管理系システム
  • ダイナミックスケジューラー
  • スタティックスケジューラー
  • オンラインNCマネージャー
  • 稼働実績収集システム
    業務管理系システム
  • 引合段階の管理システム
  • 受注管理系システム
  • 発注/仕入管理系システム
  • 在庫管理系システム
  • 入出庫管理系システム
  • 売掛・買掛・入出金管理システム
  • 経理システム

  • 生産管理系システム

    1. ダイナミックスケジューラー

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    ダイナミックスケジューラーは次の3つのモジュールから構成されています。

    1. スタティック・スケジューラー
    2. ダイナミック・スケジューラー
    3. リアルタイム・モニター

    「ダイナミックスケジューラー」モジュールは「スタティック・スケジューラー」モジュールと組み合わせてダイナミックスケジューリングを行います。

    受注データを自動的に読み込み、客先への納期と各工程の生産能力から判断し、全工程のリアルタイムな製造負荷を考慮した各工程の最適な計画日を仮決定して日付ごとの負荷量をそれぞれ日ごとに仮山積みします。受注を次々に受け付けていくと、作業量が規定をオーバーします。その場合、処理能力を越える工程は、納期に間に合うように前日に作ったり(前崩し)、翌日に持っていったり(後崩し)他の製品の製造を他の日にして、その日の量を減らしたり、その工程と取り替えることができる他の工程に変更(代替工程)するなどしてして「山積み」「山崩し」により負荷を平準化して生産効率を高めます。

    優先ファクター
    1. 納期を絶対優先する。
    2. 工場内在庫は可能な限り最少にする。
    3. ロスを最少におさえる。


    山積み・山崩し処理は納期からみた各工程間の余裕期間で判断し実行します。

    前崩し :製造予定日の移動を前方にのみ行います。
    後崩し :製造予定日の移動を納期日に向かってのみ行います。
    前崩し→後崩し :前崩しを優先して、さらに後崩しも行います。
    後崩し→前崩し :後崩しを優先して、さらに前崩しも行います。

    代替工程がある工程について、負荷が設定値を越えた場合は代替工程に工程を変更させることができます。山積み・山崩し・代替工程処理は、自動モードとオペレータ操作によるモードの2種類があります。

    ダイナミックスケジューラー
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    リアルタイムモニターは、スケジュールのための表示やユーザーインターフェースをすべて行うものと、スケジューリング結果のリアルタイムな表示を専門に行うものの2種類があります。

    工程・製造予定日別にその工程の生産能力に対する受注の割合いを棒グラフに比較表示したもので、青色,赤色,緑色で状態を表します。

  • 青色:正常な受注量
  • 赤色:受注量オーバー
  • 緑色:生産実績(作ったもの)

    負荷グラフには以下の2種類があり、表示するグラフの数や大きさは任意に設定できます。
  • 製造予定日別負荷グラフ: 製造予定日別に工程ごとの負荷をグラフ表示します。
  • 工程別負荷グラフ: 工程別に予定日ごとの負荷をグラフ表示します。

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    工程ごとの負荷のリアル表示、工程別あるいは生産予定日別の受注や負荷状況がモニタリングできます。稼動実績を組み合わせることにより、リアルタイムに刻々と変化する計画と実績を対比して表示するので、工場のリアルな生産活動をモニターできます。

    2. スタティックスケジューラー

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    スタティックスケジューラー
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    1.編集機能・編集支援機能

    スタティックスケジューラーは、スケジューリングに役立つ各種編集機能や編集支援機能を持っています。

    ▼画面に読み込んだデータを編集する機能として
    全て選択, 選択反転, 選択記憶, 切り抜き, 貼り付け, 編集, 製造予定日変更... 等
    ▼画面に読み込んだデータの検索や順序の変更をする機能として
    検索, 並び替え, 反転並び替え, グルーピング, 平坦化, 工程整列... 等
    ▼画面に読み込んだデータの各種情報を参照する機能として
    ロット長チェック, リアルタイム合計表示(ロット長, 平米数,才数等)... 等

    2.NC指示データの作成

    スタティックスケジューラーで作成した計画データを、NC装置を持つ製造機器に転送することができます。

    図

    3.スケジューリング

    ▼貼合スケジューラー
  • 最適な貼合計画を自動的かつ短時間(20〜30分)に作成します。
  • 貼合方式(原紙替え優先 or フルート替え優先)に沿った貼合計画を作成できます。

    コルゲートロット長対策処理により、原紙単位のロット長が最少製造長に満たない場合、自動的に補正を行います。

  • ロット長不足に対する補正作業を自動で、かつ短時間に行えます。
  • 前後のロットとの原紙単位でのつながりを考慮に入れた順序に並び替えます。
  • 補正は複数の方法を単独または組み合わせて、最もロスの少ない方法で行います。
  • コルゲータの持つ制限(トリム巾,取り数等)を考慮して補正を行います。
    (補正の種類:原紙巾上げ,原紙巾下げ,材質変更,計画数変更,取り数変更,部分巾上げ)

  • 製函スケジューラーを併用する場合には、製函スケジューラーにおいて貼合工程からのつながりを考慮した製函順序の決定を可能にすべく、各製造ロットの貼合終了予定時刻を製函スケジューラーに渡します。

    ▼製函スケジューラー
    最適な製函計画を自動的に作成します。

  • 製函自動処理で、前工程での終了予定を考慮に入れて、印刷に必要なインクの交換回数が可能な限り最少になるように並び替えます。
  • インクの並び順は設定により指定できます。
  • 同系色は極力同じ瓶を使用するように指定することができます。
  • 前工程での半製品完成予定時刻を考慮にいれた順序に並べることができます。

    ▼出荷配送スケジューラー
    出荷配送処理で、届け先の条件や過去の実績等を考慮にいれて、最適な出荷配送計画を自動的に作成します。

  • 届け先の条件(入車可能な大きさ,運転者やトラックの限定等)を考慮した計画の作成が可能です。
  • 過去の実績をベースに、配送経路や所要時間,運転手・トラックの選択を行い計画を作成します。
  • 出荷予定、実績管理が可能です。
  • 4.CSVファイルの作成

    スタティックスケジューラーで読み込んだデータの画面上に表示されている項目について、汎用的なCSVファイルを作成することができます。

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    3. オンラインNCマネージャー

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    ネットワークで接続された貼合スケジューラーとコルゲータ、あるいは製函スケジューラーと製函印刷機との間で、コルゲータや製函印刷機のNC装置に対して生産制御データをオンラインで送ります。これにより、それぞれのスケジューラから生産機械に対して、生産データの受け渡しが即座に行えるようになります。

    4. 稼働実績収集システム

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    コルゲータや製函印刷機のNC装置から実績データを取り込み、この実績データを集約して稼動実績データとして管理します。コルゲータや製函印刷機から実績データが取り込めない場合は、そのデータを手入力します。ダイナミックスケジューラーでは、この稼動実績データを取り込むことによりリアルタイムな製造実績状況のモニタリングを可能としています。

    NC実績管理・稼動実績管理
    図

    1. 実績データの管理

    実績データ・実績情報を取り込み、製品や半製品についての実績管理が行えます。

    ▼実績データの取り込み
  • NC装置を持つ製造機器からの取り込み。製造機器からのNC実績データを、ネットワーク経由やフロッピーディスク(FD)で取り込めます。
  • NC装置を持たない製造機器, 工程からの取り込み。簡単な操作で実績情報が入力できます。

    ▼ダイナミックスケジューラーとの組み合わせ
    取り込んだ実績情報をダイナミックスケジューラーに渡し、ダイナミックスケジューラーの工程負荷グラフに反映させたり、スタティックスケジューラーでの計画作成に反映させることができます。
  • 業務管理系システム

    1. 引合段階の管理システム

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    「SystemN/引合段階の総合管理システム」は、段ボール製造業における営業引合が発生してから受注決定に至るまでの過程で、営業活動や製品設計を積極的に支援し、総合的に管理するシステムです。

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    機能の概要

    製品設計
    顧客から提示された仕様に基づいて、シートやケースのサイズ、使用する原紙や段の種類を入力し、製品の製造仕様を設計します。ケース製造の引合に対しては、箱の形式や内寸,、外寸を入力すると、罫線寸法や最適シート寸法、取数を自動的に計算し展開図を作成します。
    工程計画
    その製品を製造するのに必要な工程を登録し、工程ごとの標準作業時間から製造に要する日数を求めます。この際、例えば印刷工程において、即乾性インクを使うか否かによって工場内での滞留が生じる場合は、その時間も考慮します。この工程計画により、注文を受けた日から出荷日を決定したり、納期から逆算した最終受注日を決定することができます。
    原価見積
    製造仕様に基づいた原材料の所要量から材料費を求め、受注ロットの格差を加味したシート価格を計算し、これに製造工程のリードタイムを反映させた加工費や、運送費、販売管理費を加えて製造原価を算出します。この製造原価に基づいて販売価格を設定し、顧客に提示する見積書を作成します。
    製造仕様データベース
    製品設計や工程計画において入力した、ケースの製造仕様に関わるデータを登録するためのデータベース。受注が決定した段階で、受注管理システムにおいてこのデータベースから該当する製造仕様データを読み込み、以降の生産計画の作成へとデータを受け渡します。
    顧客との取引条件データベース
    引合段階における営業交渉の結果、成約した価格や取引条件などを登録するためのデータベース。受注が決定した段階で、受注管理システムにおいてこのデータベースから該当する取引条件データを読み込み、請求書発行、売掛管理業務へとデータを受け渡します。

    2. 受注管理系システム

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  • 段ボール工場専用の受注入力システムを備えており、入力されたデータに基づいて生産計画が作成されます。
  • [自動単価]を使用できます。
  • 受注入力に図面データを利用したり、必要に応じて受注入力方式(コード入力方式,メニュー選択方式)を選択できます。
  • 受注情報に基づいた原紙材料の自動仕入, 自動在庫を一貫して行います。

    受注管理システム
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    1.製造情報を持った受注データの登録

    受注入力から生産計画やNC指示に使用できる、製造のために必要な全情報を持つ受注データを作成します。

    シート受注入力では ....
    得意先, 届け先, 納期, 材質, 構成, シート寸法, 受注数量等を入力する。

    取り数, 計画数量, ロット長, 才数, 平米数, 工程, 工程の製造予定日等を自動計算、設定します。
    段ボール箱入力では ....
    得意先, 届け先, 納期, 数量, 製造仕様s凾入力する。

    シート寸法, 断裁寸法, 罫線寸法, 取り数, インク, 材質, 構成, 才数, 平米数, 計画数量, 工程, 工程の製造予定日等を自動計算・設定します。
    製造工程の仮日程を自動設定する
    製造に必要な工程や標準的な製造日程を自動設定します。

    2.自動単価

    シートの単価では ....
  • 受注内容の得意先, 段, 材質に該当する平米単価。
  • ロット長, シート巾, シート流れ, 平米数, 受注数量や、これらの複合条件による特値。
  • ロット長, シート巾, シート流れ, 罫線の有無, 段, 平米数, 受注数量や、これらの複合条件による値引き。
  • 段ボール箱の単価では ....
    製品ごとの数量単価を自動設定します。

    3. 発注/仕入管理系システム

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    発注管理系システムは、ネットワーク接続された受注システム、自動在庫管理システムと連動する形の自動発注管理が基本となっています。発注/仕入情報を人間が参照し、細かい修正を行うこともできます。

    自動発注処理支援
    スタティック・スケジューラーで作成した計画を基にして、必要な原材料と在庫量,発注残量を照合して発注データを自動作成します。

    これにより社内における事務上のミスをなくし、ペーパーレス(伝票、台帳)や入力レス(伝票入力)を促進させ、完全なリアルタイム受発注システムを実現しています。少なくとも定常業務に関わる限り人手を必要としません。

    4. 在庫管理系システム

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    ネットワーク接続された受発注システム, 入出庫管理システムと連動し、完全リアルタイムな自動在庫管理を実現します。

    原材料,半製品, 製品, 商品について、それらの在庫数量, 入荷予定数量、出荷予定数量, 最適在庫数量が自動的に管理できます。

    原材料最適化処理支援
    自動発注処理支援と同様に不足する原材料を自動発注します。更に日々の使用実績から原材料の最適在庫量を自動計算し、工場内在庫の最適化を行います。

    在庫数量を最適化、自動ファジーロジック(AI)によって最適な発注数量や品目を決定するシステムです。

    5. 入出庫管理系システム

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    入出庫管理システムは、自動発注システムと連動した自動入出庫支援システムを持っており、非常に簡単な操作で入出庫管理が行えます。具体的には、入出庫データを選択してマウスでクリックするだけですが、コンピュータ内部では多種の仕事を多重的に処理し、かなり複雑な機能の自動化を図っており、最終的には、自動在庫における入出庫予定数量と在庫数量の更新をリアルタイムに行います。

    自動受入処理支援
    発注した原材料の受入指示を行うだけで、受入から在庫までの処理を自動的に行います。
    同時に受入データを自動的に作成します。
    自動払出処理支援
    スタティックスケジューラーからの計画ファイルや、NC実績管理からの払出データを使用して、原材料の払出処理を自動的に行います。同時に払出データを自動的に作成します。

    総合業務管理
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    6. 売掛・買掛・入出金管理システム

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    1. 締日による請求書発行と連動した売掛金管理システム、および受取請求書による買掛金管理システムは、ネットワーク接続された受発注システムおよび入出庫管理システムと連動して、自動の売掛/買掛管理を行い、入出金管理システムに対する支援情報を創り出します。
    2. リアルタイムな売掛/買掛の管理を実現しています。
    3. 各種プリンタに自由に出力できる請求書発行システムを備えています。

    7. 経理システム

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    1. 仕訳伝票の入力、もしくは販売・仕入・入出金管理からの自動仕訳データに基づく総勘定元帳や、BS/PLの出力は勿論のこと、資金科目を取り入れた資金繰表や資産運用表の自動出力システムや、製造原価計算システムにまで対応させることができます。
    2. 仕訳入力において、通常の勘定科目に加え、取引の内訳細目を摘要として登録することにより、仕訳データを単なる経理データに終わらせることなく、経営情報として活用することができます。