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フェラーリV8 FLATな分析 排気音とエンジン音
(自動車騒音分析テスト6)

人間は音を耳で聞きます。人間の耳(脳)は「A特性」と呼ぶフィルタを備えています。

心音測定」でも同じことを書きましたが、聞こえると具合の悪い音を聞こえないようにしているのです。言葉や音楽などの必要な情報を得るために、脳が不要な音をカットしているから、必要な情報だけを得ることができるわけです。余分な音は不可聴な周波数領域に逃がすことができます。

今回はFLAT特性を用いて、あえて人間の可聴領域外の情報も含めています。

 

ferrari1.wav (44.1kHz / Stereo / 15sec / 2.52MB)

A特性のACFグラフ

FLAT特性のランニングACF

データは今までと同じで、SA(音響分析システム)で再計算させます。

計算条件設定画面(FLAT特性)

FLATで行なった計算結果

自己相関の最初の山のピークτ1は、遅れ時間 16.17msecです。山の高さは0.33です。テスト4でやったような、回転数を求めるとすると、これは1秒つまり1000msecでは61.8Hzを意味します。これに速算のため15をかけると、エンジンの回転数927rpmです。

 

アイドリングのエンジン音は8気筒エンジンのが8ビートの61.8Hzの高さの音です。(この周波数はA特性にすれば音量は-20dBされます) デュアルエキゾーストの排気音の高さはそれぞれ31.57Hzです。(A特性では音量は-40dBされます)

200msecから300msecのτeは、音楽信号自身の響き成分としては1.2秒から1.8秒くらいの残響と同じものを持っています。 自己相関の10dB減衰に0.2 secは60dB減衰は1.2秒に相当するので、響き成分1.2秒から1.8秒。

自動車騒音分析テスト」の結果から、可聴帯域ではτeが6〜8msecであることから、響き成分0.04秒の非常に少ない音です。また、τ1が2.8msecであることから、357Hzの基本周波数です。絶対音階の基準音F4(ファ)です。これは0.11のピッチですから弱いピッチといえます。そのほかわずかに300Hzも。エンジン音の代表周波数1kHz、これも2kHzが混ざり。非常に高周波で歯切れのいい音を出しています。これらにFLAT領域の62Hz(絶対音階 ピアノでは3オクターブ低い位置のB1、シ)の8ビート、左右のエキゾーストのサウンドが交互に31Hzと、さらに1オクターブ低いB0(シ)の4ビートを2方向から出力しています。

フェラーリのエキゾーストノートは、音質的に完成されているのでしょう。それがイタリアの科学か、エンツォ・フェラーリの感性なのかわかりませんが、車づくりというよりは音を奏でる楽器づくりを目指したのかもしれません。

 

April 2003 by Masatsugu Sakurai