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聴診器にマイクを仕込んで心音測定
(心音測定1)

2004年7月19日 加筆修正

この測定は、最初 2002年の2月に行いました。当時は、心音を音楽としてみなして分析したものでした。しかしその後心音測定が心弁の閉じる音の分析に進んだため、心音測定1、心音測定2、心音測定3ともに2003年4月には、心弁の動作音の分析内容に書き直されています。心音測定4は最初から最初の音楽としての分析が総括してあったのでそれはそのままです。

当時のDSSF3はバージョン3で、現在のRAE バージョン2です。ただ、当時のDSSF3は、ACFと連携するような高解像度なオクターブバンド分析機能がなく、ランニングACF分析のレコーダーからの再生ををスペクトラムアナライザーを使用して分析し、スペクトラムを確認した後に、ACFの波形から、τ1ピッチ(音の高さ)、を読み取り、基本周波数の分析を行いました。これは手間がかかる上、時定数も適当ではなく、発音の中での適当な場所をFFT分析するために、再現性に乏しく、研究としての正確性に書けるため、ランニングACF分析と、連携した、FFT分析が望まれました。

 2003年7月に従来技術のFFT分析をACF分析と、同時同レベルで、WAVEとFFT分析できるようになり、研究が簡単になりました。当時のデータを再分析してみることにしました。

以下はそのままです。(加筆部分は開始、終了で、明記しています)

計測時の注意としては、心音は息を止めて計測しなければいけないそうです。また空腹時は(おなかが鳴ったりするので)まずいとか。測定対象としての心音は、健康ならば、はっきりしていて、わかりやすいそうです。疾患があるといろいろな音が混ざるそうです。

聴診に関しては、様々な情報がインターネット上にありますので、詳細は省略させていただきます。この計測システムの使用法の研究と言う立場で、心音の計測の研究としてご紹介します。

■ 第1回目の計測

 
計測日 2002年2月20日
計測場所 東京都渋谷区
被験者 50歳男性

マイク SONY ECM-T150 Electric Condenser Microphone
マイク寸法 直径6mm,長さ12mm
ビデオカメラ SONY DCR-PC1
パソコン SONY VAIO PCG-R505R/DK
OS Windows2000 Professional
測定ソフト DSSF3 英語版
その他 聴診器

マイクはSONYのネクタイピンにつける小型コンデンサーマイク(約8000円)を聴診のチューブ内径約4−5mmを長さ15cmに切断してコンデンサーマイクを挿入して 接続しました。(約7mm挿入)

巷には、専門のマイクもあるようです。まずは使い慣れたマイクを使用してやってみるのもいいでしょう。ぴったり、ナイロンのチューブ(ゴム管?)にはいりました。

いよいよ心音の録音を聴診器改造マイクを使用して行いました。

まず第一回目としては、予備計測として簡易な方法をとりました。つまり、マイクをSONYのDVのビデオカメラにつなぎ、16ビットの音声録音を画像とともに、録画、録音してしまうものです。

DVのビデオカメラにそのマイクをつなぎ、聴診をMiniDVに撮影し、それをiLINKで、ノートパソコンVAIOに取り込み、その音響データをDSSF3のRAでランニングACF測定を行い、あとでSAを使って分析を行いました。

マイクがゴム管に入ってるため、ゴム管部分に触れると大きな雑音が入ります。また、聴診器を手で当てるときに、手が触れる雑音や、肌と接触する部分の雑音もすごく、最初慣れるまで、なかなかうまくいきませんでした。

また、心音は低い周波数レンジでしょうからサンプリングレートを低めて高周波部分、あるいは、高域部分をカットしてやればいいかなと思いましたが、安易にカットしてしまうより、一度きれいに、後々の研究のためにできるだけ広い周波数帯域で音をとりたいと思い。また、これが手始めですから、最初はとにかくいつもながらの0−20KHZで解析したいため、いろいろ試行を繰り返しました。

それでも慣れてくると、マイクやチューブには触れないように、できるだけ聴診器を動かさないようにして、いいS/Nで音が取れましたので、これなら分析ができると思い、とりあえずどういうデータなのか分析を行いました。

DVのビデオカメラをVAIOにつないで、その音を測定するわけですから、Windowsのサウンドミキサーの出力を調整します。

同じく録音(入力)を調整します。

▼ 無信号時の測定

ピークレベルメーター表示

自己相関のリアルタイム表示

1/3オクターブリアルタイム表示

ノートパソコンVAIOとDSSF3の計測環境は上記のとおり結果良好です。

▼ 信号入力測定

(2004年7月19日分 修正開始)

 ビデオの録音を入力ソースとして 8秒間ランニングACF測定を行いました。RAでのランニングACF測定時時の積分時間は2秒ランニングステップは0.2秒、遅れ時間は100msecまで、聴診マイクは1CHのモノラル録音です。また人間の聴診をシミュレートするため、A特性をかけてあります。積分時間や、ランニングステップ、遅れ時間、特性などはこちらはRAでの左上のリアルタイムモニターへの表示条件で、今回はSAでの分析が目的ですから、この場合は積分条件が0.2秒などの数値を使うほうが今では一般的でした。もちろん同データのSAでの分析時には、分析に必要な計算条件として、再度、必ず設定入力が必要です。

(終了)

ランニングACF測定の画面です。

 

 
I 音 僧帽弁と三尖弁の閉鎖音。収縮早期。
II 音 大動脈弁と肺動脈弁の閉鎖音。収縮終期。
III 音 心不全状態でよく聞かれる。健康な若年者でも聞かれることがある。
IV 音 左心室の収縮力が低下しているときに聴取されることが多い。正常では聴取されない。
心音の I 音は収縮期の初期の音です。II 音は拡張期の初期に聞かれます。安静時は、I 音と II 音の間隔は短く、II 音と I 音の間隔は長くなります。

 

WAVEファイルはこちらです。
heart1.wav (1.09MB)

この測定の場合、測定開始後4.2秒後の I 音と、4.5秒後の II 音、またそれにつづく 5秒後の I 音と、5.3秒後の II 音がきれいに取れています。また、その間も正確に取れています。そのため生体音響分析としては、この部分を分析していくつもりです。

そのときの自己相関のリアルタイム表示です。

1/3オクターブ分析です。

パワースペクトラムの時間分析の3次元表示です。

そして、SAで分析にかけるためにデータをセーブしました。

(2004年7月19日分 加筆開始)

積分時間2秒他条件は同じです。2002年2月20日の測定した心音のデータベースをWindowsXPのDSSF3バ-ジョン5.0.5.6 RAにLOADしています。

心音をヘッドフォーンで、操作画面の一番下の真ん中のReplayボタンで、聴くと生々しく音が取れています。確かに心臓が複雑に動いているのが明らかです。周波数の関係で、ノートパソコンの付属スピーカーでは良く聞こえません。音響分析のときには、人間の耳を活用するため、いいヘッドフォーンも必要です。私はSONYのMDR−Z200という数千円のヘッドフォーンを使用していますが。ヘッドフォーンがあると、ナイトではまったく大違いです。そのわけは、心音の周波数帯域にあるのでしょう。

まずSAでの分析条件は積分時間は5秒で、ランニングステップのみを0.1秒にして分析を行いました。これは5秒間の平均を計算する設定です。ランニングステップ0.1秒間隔で、5秒間の平均を分析していきます。

 

下は、SAで計算後のWAVEの表示です。音響信号の振幅表示です。この測定データの測定時間は6.52秒ですが、そのなかの青い帯のところ5秒間の音響信号が指定してあります。そうしておいてスペクトラムを開くと、その区間に対応した、分析ができます。

下の画像は上の5秒間のスペクトラム表示です。上の青い帯の区間のFFT分析結果です。

確かに脈拍にもよりますが、長時間のスペクトム分析では、心音は10−40HZが大きく、100Hzくらいまでで、350HZ以上の高い周波数は大きく減衰しているのがわかります。これに対して人間の声は一番低い声が基本周波数は男で150Hz、女性で250Hzくらいで、声の常用周波数1KhZ、泣き声は3KHzなどの、周波数を会話や情報伝達に使用しています。もちろん、耳はこのなかでは3KHzが一番感度が高く、次は1KHzとなり、150Hzとなると、かなり聴きにくい感度です。もちろん緊急性の強い音は、感度が高いところで出されます。こういう周波数であれば心音の再生には、ヘッドフォーンが必要なわけです。

 

下の画像は音圧レベルの時間的変化です。Y軸は遅れ時間τ=0のときのΦ(0)で、真の音響エネルギーをあらわしています。5秒間も平均すると、データに差が無いので、128倍表示して、変化を拡大して表示させています。一目もりが0.05dBになっています。この場合は5秒間の平均です。全部で、6.52秒の測定で、平均5秒が0.1秒間隔で、計算されていますから、10個の分析値が0.1秒間隔に表示されています。

 

下の画像はτ1の表示です。これも同様にY軸の表示を128倍に拡大してあります。この基本周波数は2.948msec をあらわしています。これは339.2Hzの周波数成分です。これもほぼ一定です。

 

このデータの変動に注目して、統計的に分散や、偏差を調べたり、ゆらぎの量などをを調べることを研究目標のひとつとしています。これまでの分析はA特性で行ってきました。

もう一度、FLATで分析を行ってみました。下の図のように、音圧レベルは00.9秒の時点で比較すると、17.15dBも違います。A特性は、人間の耳の特性です。

じゃー、A特性の分析はまずいのかというと、そうでは無いと考えます。A特性は人間が持ってる、聴覚の機能です。と同時に今までの音響研究でも間違いなく情報処理には都合のいいフイルターです。

データの分析という立場からも、結果として音圧レベルをのぞいて、ピーク周波数などは同じです。Φ(0)のグラフこちらは、Y軸を32倍に拡大してあります。A特性のときは128倍ですから、ただそれは重要とは思いません。心弁の音などが2KHz以上の高い周波数成分にあることが、すでにわかっているからです。

 

 

参考にFLATで行ったスペクトラムも載せておきます。

これを見ると、300HZ以上拾えるマイクはいらないと決め付けた、間違いがなぜ起こったか理解できます。300Hzくらいまでの音でよいとしてきた、聴診マイクやピックアップでは聴診目的の分析は出来ません。高時間分解能な分析では、僧帽弁の閉じる音は20KHzで約8msecの時間幅を持ったパルスです。閉じるのに要した時間は 23msecです(心音測定3)

(2004年7月19日加筆分終了)

 

March 2003 by Masatsugu Sakurai



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