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医学的な心音表現と測定値の対比
(心音測定2)

2004年7月19日 1 加筆開始

この2003年の分析は、心弁の閉じる音の動作タイミングと、その動きの分析でした。そんなことを思い立ったのは心臓の動きや、血流の流れやばねが利いた心弁の材質や、閉じる音まで実際に自分の耳で聞き取れたからです。

FFT分析では、長い時間の連続した信号用の分析ですが、この場合の生体音響はパルス信号です。心臓などの弁の動きは、アナログの腕時計に似ています。最も時計は、動きの速度や、大きさを変えたりはしませんが。

 ランニングACF分析では、パルスが5秒間隔で立ってくれば、それを0.2HZとみなすことも条件次第で可能です。ランニングACF測定では理論的には0Hzから、サウンドボードのADコンバーターのサンプリング周波数の0.5までの高域までいつでも計算値として算出可能です。2CHのランニングACF測定は、音源の方向が計算できます。 

あらかじめ、患者の体の、情報があれば、それらと対比させて、分析できます。情報としては、基本周波数や、代表周波数など、また高時間分解能な音圧レベルの時間変化、代表周波数の時間変化、それに方向情報、低い周波数成分と高い周波数成分の比率などが、あげられます。

2004年7月19日 1 加筆終了

 

前回の計測値を分析するために、SA(音響分析システム)にてデータを読み込みます。

高時間解像度の積分条件1/100秒で、5/1000秒区切りで計算させま す。

計算が終了して、その分析結果をクリックして表示させたところです。今回はモノラルですから、Φ(0) 音量、τe ACFの有効成分の持続時間、τ1 基本周波数ピッチ、φ1 ピッチの強さと ACFを調べることになります。その他のものは2ch 計測時のチャンネル間の相互相関の関係のデータ分析だからです。

今回はDSSF3の「スクリーンコピー機能」を使い、グラフ部分のみの組み合わせの画像をワンクリックで作成し紹介します。

FULL Windowは、この分析ウィンドウ全体の情報を表示です。Only Graphはグラフ部分だけです。ここではグラフ部分だけの表示を使います。今回はフレームではなくマルチコピーを使います。

 

下図は測定開始1.22秒後を拡大表示しています。ひとつの心臓のパルスをズームして、Φ(0)音圧レベル、τe 響き成分の有効持続時間、τ1 音の高さφ1 ピッチの強さの4つの自己相関からの音響パラメーターの時間的変化を図示しています。しかし、ここでは説明は省略します。

順番に、医学的な心音表現と、音響的な測定値とを対比させてみます。

I 音の亢進、II 音の音量、分裂態度、III 音と、IV 音の有無と音量。

例に I 音、II 音の分析を行ってみます。データは「心音測定1」のものです。

計算条件です。音声認識で多用したかなり精密な分析を使用しています。

I 音を高時間分解能な分析により、10msec単位の音圧レベルの変化にズームしてあります。この場合 I 音は測定開始後4.18秒から4.21秒までの低音で、振幅の小さい前成分と、4.24秒、4.27秒の高調な2成分である。前方の高調成分は僧帽弁性で、後方成分は三尖弁性である、と読むことができます。

I 音だけをさらにズームアップ

I 音が大きく分けて3つのパートにわかれる。最初の比較的低周波成分の部分と、後方の高周波数成分からなる2成分。という、医学の説明は、この場合、4.165秒から、はじまり4.21秒までの比較的低振幅の部分と、4.22秒から4.26秒までの、高振幅の部分と、4.27秒から4.31秒までの部分の3つに分けられると言う解釈でしょうか。

しかし、分析システムで調べると、正確には中央の高い振幅の部分はそうなのですが、前方と、後方の部分はそうともいえないようです。 I 音の前方の、低い振幅の部分の変化を測定開始後の時間経過から追ってみます。最初の、測定開始後の4.165秒で、τ1が0.23msecでφ1が1あるところが存在しました。これが以後の音の振幅の増加の原因のようです。音質から見てこれも心臓の動作音(弁の音らしい)と考えられます。周波数成分として5KHzの、ピッチの明確な音です。同じように、周波数成分が高く、ピッチが明確な音を探していくと、4.18秒のときにも2.5KHZのやはりピッチの明確な音があります。これも心臓の動作音と思われます。

次の4.21秒のときは1KHzの周波数成分の弱い音から、4.215秒の500HZのピッチ0.5の比較的大きくて、強い音にうつっていきます。

ここで、強い音というのは、ピッチが明確な音を言います。振幅の高い音は、音圧レベルの大きな音です。ピッチは音の高さを意味します。ピッチにより、1秒間にどれだけの音の波があるかにより、周波数成分を計算しています。自己相関関数の遅れ時間を遅らせていったときの、最初のピッチのピークτ1は音声認識では、フォルマント周波数でもありました。排気音分析では共鳴周波数でした。以上の音質情報の分析のほかに、自己相関からの音響パラメーターを使用した動作分析には、τe、音の持つ響き成分を使用するとτeが小さいときは、動作の起点です。いったん動いてしまうと、τeが長くなるとみています。心音の場合、心臓の何かが動いて音が発生するという分析ですから、τeの短いところは重要です.τeが変化する場所はすべて特徴点と見ることができます。

II 音を同じようにズームしてあります。健康な II 音は、胸骨左縁で20〜50msecの分裂間隔をゆうし、吸気で広くなる。測定開始後4.5秒から4.54秒までの40msecを分裂間隔と読むようです。

2004年7月19日 2 加筆開始

以上の分析について現在のSAでT音のみ再分析してみます。下の画像がDSSF3バージョン5.0.5.6DEVでの分析画面です。X軸Y軸のズームは現在の倍率が表示されています。まだまだいくらでも拡大できるのですが、現在の積分時間や、ランニングステップではこのデータでは必要ありません。またこの表示上にマウスを持っていくとマウスが4方向マークに変わり、360度自由に表示部分をドラッグ移動し、ストレス無く、見ることが出来ます。また赤いポイントはいったん下のデータテーブルで、指定すれば、上のグラフをどこに切り替えても同じデータが指定されています。またグラフを切り替えても、切り替える前の倍率や位置など、すべての情報を記憶していて、元に戻るときには前回参照していた画像に戻ることができます。

下の画像は、測定した音響信号の振幅のグラフです。新しい機能のWAVE表示です。赤線は、上の画像のΦ(0)のポイント測定開始後4.19秒と対応しています。4.19秒のあたりを正確に読み取るために、X軸の表示を拡大します。

 

4倍に拡大して、3.4秒のポイントと4.2秒のポイントはどちらもT音です。レコーダーは音と、この画像と同様な振幅グラフで再生ポイントをリアルタイムに表示しながら、確認できます。それをしなくても再生時の再生ポイントのリアルタイム表示がなくても音を聞きながら時間で知ることができます。

このグラフからみると、T音は800msec間隔で一番音が大きい(振幅の大きな)部分です。この場合、脈拍は60秒を0.8秒で割り、約75です。この計算は実際は、T音の自己相関から、相関度が最も高い値の周期を求めます。そうすると非常に精度があがります。

同じ表示でX軸を4.185秒から10msecの間がX軸いっぱいに512 倍に拡大してみました。この場合はX軸の1メモリは 0.5msec(5/10000秒)です。この区間が積分時間(分析時間)に指定されています。測定開始後4.1905秒が近辺の振幅の最小のようです。これ以降振幅は増えていきますので、この区間が正確に、T音の開始を捕らえていることがわかります。

同じポイントをACFの表示グラフで見ると、τ1 2.86msecです。これは代表周波数349Hzです。また基本周波数は13.5msecで74Hzです。

この区間に対応した、スペクトラム表示です。

以下分析方法は同じです。時間軸上で調査ポイントをずらしていって、使用するDSSF3の違いから今とは分析方法が違いますが、総括したのが2003年の文章です。ただ手始めとしてはこの段階(今回加筆分)で充分です。

2004年7月19日 2 加筆終了

 

March 2003 by Masatsugu Sakurai