| Japanese | English |

積分時間4msec、ランニングステップ1msecの分析
(心音測定7)

2004年7月23日 1 加筆開始

心臓が不整になって、凝血すると、脳はダメージを受ける。一度ダメージを受けると、脳は直らない細胞であることがわかりました。人間にとって、一番大事なのは、脳を守ることだ。となると、脳にいく血流を管理する心臓の動きを監視して、不整が起こらないように、負担をコントロールすることが重要なのがわかってきました。

というのは、血は流れの規則正しさがあるうちは、固まらないのですが、不規則になると、固まる性質を持っているからです。

2003年の分析について、心弁の動作分析については、一拍目だけを最新のDSSF3で一度検証してみます。

以下修正

2003年の分析

積分条件4msec ランニングステップ1msecの計算条件です。

音圧レベルの時間変化です。

時間軸を8倍にズームしてみました。ちょうど1拍目の心音の I 音、II 音と、2拍目の I 音が表示されています。

1拍目

時間軸を16倍にズームしてみました。

  測定開始後
(秒)
Phi(0)
(dB)
Tau_1
(msec)
Phi_1 Tau_e
(msec)
備考
1 0.182 -14.50 0.48 1 4.26 I 音の最大音圧ポイント  僧帽弁の閉じる音
2 0.265 -19.58 0.75 0.99 108 I 音の次の音圧ピーク  三尖弁の閉じる音
3 0.314 - - - - 不明
4 0.464 -19.04 2.28 0.23 2.28 II 音の最大音圧ポイント  大動脈弁の閉じる音
5 0.502 -20.25 0.68 0.99 16.69 II 音の次のピーク  肺動脈弁の閉じる音

僧帽弁
測定開始後
(秒)
Phi(0)
(dB)
Tau_1
(msec)
Phi_1 Tau_e
(msec)
0.182 -14.50 0.48 1 4.26
0.976 -15.35 0.27 1 14.24
1.783 -15.06 4.42 0.73 1.43

三尖弁
測定開始後
(秒)
Phi(0)
(dB)
Tau_1
(msec)
Phi_1 Tau_e
(msec)
0.265 -19.58 0.75 0.99 108
1.059 -20.18 0.63 0.99 10.02
1.865 -20.36 0.07 1 6.05

大動脈弁
測定開始後
(秒)
Phi(0)
(dB)
Tau_1
(msec)
Phi_1 Tau_e
(msec)
0.464 -19.04 2.28 0.23 2.28
1.265 -18.70 0.05 1 2.26
2.067 -18.73 0.05 1 8.94

肺動脈弁
測定開始後
(秒)
Phi(0)
(dB)
Tau_1
(msec)
Phi_1 Tau_e
(msec)
0.502 -20.25 0.68 1 0.99
1.295 -20.30 0.77 1 1
2.102 -20.57 0.07 1 1


積分時間4msec、ランニングステップ1msecは心臓の弁や心臓の動きともに、前回より、精密に分析できるようです。

I 音として僧帽弁の次に三尖弁の音がして、その次に、大動脈弁の音がきて、その後、肺動脈弁の音が来るという順番です。弁の閉じる瞬間に音の高さが鋭く変化しています。

2003年の修正終了。大きく削除しましたが、数値等はそのままです。

2004年7月23日の加筆分開始

2003年の分析は1拍目と、3拍のデータのテーブルを残して、今回の分析を付け加えることにしました。これから現在のDSSF3で、再分析をはじめます。

計算条件は

実際に耳で聴いてると、心弁の動作音が聞こえる。音から考えると、心弁はぶるんとばねのような動きをしてると思う。心弁の動作音は継続時間が非常に短く、心弁の質量から言っても音も小さいはずである。ただし、音が小さいはずはないと考える、なぜなら、その弁が動くことにより、送り込まれていた血液をその弁を閉じることにより、逆流しないように心臓が血液を全身に送り出すことがスタートするからだ。

つまり、心臓は心弁の動きに続き、大きな心音を立てる。では心弁は静かに動くのであろうっか?いや、そんなはずはない。心弁は血液の流れの中で、入り口や出口を閉じたり、開いたり、それ相当な動きにあわせて大きな音を立ててるはずである。

積分時間の2msecは前回の測定で心弁の閉じるときの音が少なくとも、4msec以上続くことから、またランニングステップの1msecは心弁の閉じるタイミングについては1msecの単位でその範囲で分析したいからです。

測定区間は心音測定6で行った、測定開始後4.2秒です。

 

ここで心弁の閉じる音は、周波数成分の高い音で、通常の心臓の収縮、拡張などの周波数成分は、低い周波数成分で、連続している。はずですから、τ1の代表周波数のグラフを調べます。

 

やはり、τ1の高い周波数成分のポイントは、測定開始後4.23から4.24秒と、4.28秒、4.33から4.35秒の3点です。この部分を拡大すると、

心音1のなかには心弁の動作にかかわる高い周波数成分のポイントが3区間ある、それぞれ、振幅波形でも波がきり替わる特徴点である。

この時点でのスペクトラムは4KHz、7KHz、18KHzの高い周波数の周波数成分を多く含んだ、音です。またこの周囲のτ1の連続的な周波数変化からここが、音響信号の一部としてまた周波数のピークであることが分析できます。この持続時間は4msec以上続く音です。同じくスペクトラムの分析からもスペクトラムの高域が3つのパーツにわかれているのは、その合成の音質であり、台形の形をして、巾があるのは、その分析時間に同時に周波数の高さが一定方向に高速に変化する(たとえば1msecに3KHz変化する)音質であることを表しています。

同様に測定開始後4.279秒では、τ1が0.05msecで、そのスペクトラム表示は5KHz(4KHzから8KHz)、9KHz(8KHzから10KHZ)、18KHzから20KHzで、ACF分析による代表周波数も20KHzとなっています。

ここではDSSF3バージョン5.0.5.6を使用した心弁の再分析として心音中の高周波成分をACFとスペクトラム分析を行いました。他の画像処理などのデータと対応させれば、これらのデータの分析がさらに可能と思われます。

今まで、音からの分析は、画像処理などに較べて遅れているといわれてきましたが、もうそうとは言えないと思います。

今音から分析しようといているのは動きであるからです。現在画像は、動作までシュミレートできるレベルではなく、得意は静止画像である、その両方を使用するなら、画像で動作部位の確認や色や形の目視確認を行い、音から動作を分析します。

 

April 2003 by Masatsugu Sakurai