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ジェット旅客機着陸音の高周波成分の分析
(航空機騒音分析テスト9)

ジェット騒音は、高速で噴出した流体が静止した空気との境界で発生します。その粘性のために乱れの一つ一つが音源になります。ノズルに近い部分は乱流域の乱れが細かく、高周波音を発生します。遠い部分の乱流域では、流速の減少とともに次第に大きくなって低周波音を発生します。そのため、ジェット流によって発生する音は広帯域のランダム騒音です。

代表周波数は、ノズルにおける流出速度に比例し、ノズルの直径に反比例し、騒音の強さは流出速度の8乗に比例します。音速以下で流速が2倍になると音圧レベルは24dB大きくなります。
(参考資料:「騒音・振動(上)」子安 勝編 ISBN 4−339−00353−0)

 

 
航空機騒音分析テスト8」のパラメーターすべてのグラフの分析(積分時間0.01秒)は時間的に正確で、方向情報も正確です。

 

air8.wav(44.1kHz / Stereo / 15sec / 2.52MB)

  1. 音圧レベル Φ(0)のグラフからこの計測は2秒から11秒までは十分な音圧です。最大音圧レベルは計測後6秒でした。
  2. τ1とφ1のグラフから高周波成分のピークは7秒後半から8秒前半です。WIACCから高周波成分は8秒にピッチ成分も最大。
  3. Φ(0)の音量とτ1のグラフとφ1のグラフから代表周波数成分がはっきりしてるのは、近づくときの5秒から6秒、遠ざかるときの11秒の時点です。
  4. WIACCから高周波成分は8秒にピッチ成分も最大、また、7秒と8秒以後に低周波成分が多い。

     

τ1最小 0.14 さらにφ1最大。もっとも刺激の強い騒音成分です。

測定後7.9秒経過、τ1=0.14msec、φ1=0.24、τe=4.32msec、Φ(0)=-9.16dBA(ほぼ最大)、合計時間 0.12秒

基本周波数は 1.22msec、800Hz。τ1は0.14msec、7kHzです。

τ1 自己相関の遅れ時間最小のピーク。この場合は高周波成分です。また一番大きなピークの遅れ時間は基本周波数です。基本周波数と高周波の間の周波数が大きく離れていて間を埋める周波数のピッチが弱い、これらが自己相関のピークをτ1の短い時間に作る最大の原因です。

τ1の計測後7.8秒から8.25秒までの経過のグラフ、このズーム機能は新機能です。τ1は高周波6kHzから5.5kHz高周波純音の強いピッチとピッチの変動をあらわしています。

着陸時にはエンジンの出力を最小限に絞っているとはいえ、高周波成分は7kHzという高い音のピークのジェット騒音が出ています。

最後に、着陸時のジェット騒音についてまとめてみましょう。

飛行場への接近時にはジェットエンジンの代表周波数がドップラー効果で高くなって聞こえます。そして一定以上に接近すると、進行方向と音の方向の差が大きくなるため、ドップラー効果が減少し音の高さが下がってきます。さらに接近して機体が真上にくると、基本周波数と高周波の甲高い音がします。通り過ぎるときには、ドップラー効果(音が下がる)で低い周波数となった基本周波数を中心にジェットノズルから吐き出される高周波と、吹き飛ばされてくる低周波の両方の影響を受けます。飛行機が遠ざかると高周波、つぎに低周波と減少していき、それ以後は代表周波数になります。

October 2002 by Masatsugu Sakurai