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心音のA特性の分析
(心音測定4)

2004年7月20日 1 加筆開始

 DSSF3 バージョン5.0.5.6 DEV を使用して再分析を行います。

この分析で覚えているのは心音をFLATで分析すると、τ1が 音の高さとして24HZ、A特性出の分析は300Hzでした。

人間が音色と感じる音の高さは、自己相関の最初の山となる信号成分τ1です。

たとえば、A特性を使用するから、音声の測定では、ACFによる測定時、τ1がフォルマント周波数になります。

A特性による測定の中では、自己相関関数は、基本周波数の遅れ時間より必ず前に自己相関の山を作ります。これは基本周波数(低域)を押さえ20dB以上も(フォルマント周波数)高域に敏感なA特性が有効です。

A特性のフイルターがあると、脳が音声や、音楽の音の高さを認識しやすいのです。

以降は、前回のレポートです。最後に加筆します。

2004年7月20日 1 加筆終了

この「心音測定4」は2002年8月に書いたレポートです。1,2,3は2003年4月に新しく書き直してあります。2002年までは積分時間2秒のランニングACF分析を主に使用していました。それは人間が音楽や言葉を大体2秒の時間窓で処理しているという考え方からでした。そして最終的には、心音を人間がどういう風に音楽として聴くかという分析をして終わりにしました。しかし、最新の分析をやり直した結果、実験1,2,3と現在の高時間分解能な分析に置き換わり。さらに精密なデータを使用しての次の段階に進もうとしています。以前はτ1が41msecであることを使用して続けています。(2003年4月追記)


(7月20日修正)

 ここでは、音響測定システムの使用例として心音測定を取り上げています。A特性の分析の前にこれまでの経緯をまとめておきます。

分析結果の最も重要なピッチである41msecのτ1は心理的には、1000/41の計算結果で約24ですから、心音を(胎児が母親の胎内で聴いている)音楽として考えると、約24Hzの音です。

パワースペクトラム表示 測定時 フィルターはフラット(Flat)です。この場合の基本周波数は26Hzです。

無信号時 パワースペクトラム表示 フィルターはフラット(Flat)です。ダイナミックレンジは充分です。

2秒の積分区間に、脈拍が60から120までは1個か2個、非常に高い120以上180以下は2個か3個の心音を含みます。それらの音を2秒連続して音楽として聞く場合は積分時間2秒です。つまり2秒の時間窓で音楽として意識し、0.1秒ごとに分析結果を計算を行いました。

人がその2秒をどう意識するかという、ピッチやピッチの強さ、残響成分を0.1秒ごとに求める計算でした。今までのおなじみの方法です。その結果、私の心音は周波数24Hzのピッチ(τ1)の音楽で、0.1のピッチの強さ(φ1),20〜40msecの残響成分(τe)の分析結果が出ました。25Hzが心臓の音だとすれば、それが可聴周波数から外れているのも納得できます。身体が可聴周波数を出して、常にそれを聞かされたのではうるさくて仕方ありません。生体音響の分野では、可聴周波数外の低周波や高周波が中心になっているのです。

今回はフラットで分析していますが、マイク、アンプ、スピーカーなどは性能の良い機材が必要です。心音を再生するにはヘッドフォンが有利です。実際の聴感を重視してA特性(人間の聴感にあわせたフィルター)をかければ低周波はカットされるので、高いピッチに変わります。大きなエネルギーの低音の大部分を切り捨てて変わってしまいますが耳で聞いてる音とおなじはずです。

A特性での計算条件

分析結果

A特性で分析すると、ピッチ(τ1)が 2.77msec、約361Hzの周波数です。ただ、ピッチの強さ(φ1)が0.03のため、ピッチが弱く、実際は11.29msec、88.5Hzが基本周波数です。それにしてもφ1は0.1で、音量、ピッチとも弱いことがわかります。心音は低周波成分の強い音です。τeは 6msec で、響きも少なくなっています。

ACF自己相関のリアルタイム表示です。(測定をとめて画面コピーしているため、厳密には心音の瞬間はとらえていません)

パワースペクトラム表示です。計測後2.5秒後のピーク。ダイナミックレンジが若干下がっています。やはり、フラットで収録した音から、低音をはずしたためです。86Hzに基本周波数が、361Hzもおおよそ確認できます。

パワースペクトラムの3次元時間表示です。

A特性で修正した心音の周波数帯域ごとのエネルギー分布が確認できます。最大音量から−20dBで、およそ80Hzから400Hzまでに分布しています。

心音の聴診は医学的には臨床検査に入る分野です。心雑音については心臓の膨らむときの雑音は、すべて異常であり。異常心音に伴った心雑音も異常として扱います。しかし病気の裏づけのないしぼむ時の雑音は異常とすべきではないとあります。正常時に比べて、雑音が増えれば要注意ということでしょう。病気は早期発見が最も重要ですが、初期のささいな異常は発見が難しいのです。なぜなら異常というのは、それ以前の正常な状態と対比しなければわからないからです。日常の健康管理として、心音の測定は非常に有効です。

2004年7月20日 2 加筆分開始

これも、測定結果や説明には今のところ問題は無いです。テスト音源の分析ポイントやACF分析とFFTアナライザーの測定画面などが対応してないので、再分析を行います。

SAでの再計算条件です。積分時間2秒、A特性での計算条件に対応しています。重み付け(特性)がFLATになっています。

 

下の画像はWAVE 心音の振幅の表示です。ここの青い赤線で囲まれた部分は、測定開始後0.8秒から始まって、2秒間の積分区間を表示しています。この部分のτ1はこの振幅のグラフの下のデータテーブルのτ1をみると、たしかにズラーと、41が並んでいます。これが41msecすなわち24Hzと記述されてたものでした。

 

そのときのスペクトラム表示は、確かにこの場合ほとんどが80Hz以下で、10dB落ちて、100−150Hzさらに10dB落ちて200−300Hzこれは、2秒で計算してるからです。

2003年の分析と比較すると、このときのRAのスペクトラムアナライザーでの分析は時定数FLATで、計算していますから、理論的には、1秒間に44100個のデータを扱い、それを一度に8192ずつFFT分析しますから、1秒間に5回くらい分析します。正確に計算すると 44.1KHzで、FFTサイズ8192ですから、8192*1000/44100 = 185msecの時定数(この場合は積分時間と対応)です。

 

ちょうどこの分析箇所のACFの波形表示です。前回の分析ではあげていません。ちょうど41msecのτ1が緑の点線で示されています。低域のエネルギーが多く、高域があるのだが、ACFのグラフ上は表示されない。それほど低域が強い。これは、心音の世界だけではなく。われわれを取り巻く空間もそうである。

 

(参考)上のグラフとまったく同じ条件でA特性を載せておきます。こちらはA特性で、低域のエネルギーを大きく減衰させているため、高域の信号成分がACFのグラフ上に表示される。

 

心音を(胎児が母親の胎内で聴いている)音楽として考えると、約24Hzの音です。2003年はこう書いたが以下に参考にFLATと、A特性のグラフ表示を対比させておきます。

(FLATの分析) 下のグラフで τ1 が41msecは24Hzの高さの音です。

 

(A特性分析)このτ1の値 3msec は 330Hzの高さの音です。これは、心音の測定とは違いますが、心音測定4の再分析という観点でいれておきます。 胎児もA特性を持ってるとすればこちらでは。

 

一部参考でA特性の分析結果も載せましたが、正確に全部おこなうのであれば、計算条件だけ以下のようにA特性にすればFLATの例と同じように分析できます。

 

2004年7月20日 2 加筆終了

August 2002 by M.Sakurai