| Japanese | English |

気管支音(正常)、気管音(正常)、水泡音(異常)の測定分析
(肺の聴診2)

実際の肺音 ( http://www.medic.mie-u.ac.jp/student/haionn01.html )
音声(肺胞呼吸音) 吸気の音は聞こえるが呼気の音はほとんど聞こえない。
音声(気管支音) 肺胞呼吸音の聞こえるところで聞こえると異常である。
音声(気管音) 頸部で聴取される音で、気管支音をより強くしたもの。
音声(水泡音) 咳と合わせると減弱、消失したり、聴取部位が変化することが多い。気管支炎、肺炎、肺結核、肺梗塞、肺化膿症、肺うっ血、肺水腫、気管支拡張症などで、聴取される。
音声(捻髪音) 下肺野でよく聴取され、咳により減弱、消失せず、又、聴取部位も変わらないという特徴がある。間質性肺炎、肺線維症などで聴取される。
音声(笛音) 気管支喘息患者に特徴的なラ音とされている。肺野全体に聴かれ、頸部に最強点がある。気管支喘息以外にも、腫大リンパ節や縦隔腫瘍による、外部からの圧迫、気管支癌、滲出物や粘膜の炎症による気管支内腔の狭窄によって、聴こえる。
音声(いびき音) 笛音より低音性である。咽頭から、主気管支までの閉塞ないし狭窄があることを示す所見であり、この部の炎症(分泌物貯留)、異物、腫瘍などが原因となる。肺水腫の際にも認められるが、この際は吸気のみならず、呼気にも聴かれることが多い。

上記waveファイルについて、前回と同じ方法で分析を行います。前回、書かなかったところを若干補って、測定値と分析結果の違いを中心にまとめてみます。

「DSSF3 バージョン5」のメイン画面です。使用マシンは、DELLのLAPTOPマシンのINSPIRON 7500、OSはWindows2000 Professionalです。Windowsのオンラインアップデートはもちろん、DSSF3も2003年3月20日の最新バージョンです。サウンドドライバーは、DELL標準のESS Maestroです。

この測定はWAVEファイルをダイレクトに読み込んで、ランニングACF測定ですから、RAの入力デバイスの選定はMixerにしておきます、デジタル入力の場合は、通常の民生用のMDのようにこのシステムにはサンプリングレートの自動変換がありませんので、ランニングACF測定のレコーダーに読み込みます。この場合は、WAVEファイルのサンプリングレートに自動的に合わせられますから、利用者がオールデジタルの分析を行ってもサンプリングレートを意識する必要はありません。もちろん、Windowsのメデイアプレーヤーのような、プレーヤーと、アナログでデータのやり取りをする場合は、どういうサンプリングレートを使用しても大丈夫です。ただ、パソコンのアナログ回路は概して品質が低いので、できるだけ内部でデジタル処理すべきです。

ランニングACF画面を開いて、そこからLOADをクリックします。そこの測定データ選択ダイアログで、WAVEファイルを選択します。

WAVEファイルの選択ダイアログです。前回測定に使用した、haihou.waveと今回の測定用のWAVEファイルが並んでいます。順番にランニングACF分析するために、まずkikannsi.waveを選択しLOADします。


(1)正常な肺音 (気管支音)

ランニングACFの測定画面にデータがLOADされました。FLAT特性で分析しています。

生体音響では、臓器自体が音を立てる場合、人間の耳に聞こえない領域に音をはずしています。というより、人間の耳のほうが、聞こえないようにフイルターをかけています。そのため、さらにA特性をかけると、何も聞こえなくなります。ただ、例外として、体の中の、一部の音は、知らせるためにできていて、もし、耳に聞かせるために存在するのであれば、A特性で分析する必要があります。

たとえば”いびき”を騒音として扱う場合。歌もそうです。ただ、音響解析上、データを捨てないほうが望ましく、フィルターをかけると多くの情報を捨てることになります。従って、音響解析上はFLATで分析すべきです。(特に高時間解像度な音圧レベルの分析では)音響エネルギーで、運動や状態を解析しようとするからです。この場合、どんな周波数でもすべての情報が重要です。

SAVEボタンをクリックして、前回作ったフォルダーにHAION2として保存します。

SAにデータを読み込みます。

計算条件です。積分時間10msecで、測定時間は5msec間隔で分析を行います。

計算終了しましたのでSAで表示しました。先頭はΦ(0)音圧レベルの時間変化です。X軸は測定開始後の時間を表示しています。測定時間は11.25秒です。

組み合わせ画像です。奇異なピークに注目しています。「音声(気管支音) 肺胞呼吸音の聞こえるところで聞こえると異常である」の分析グラフです。この分析はここまでにして、とりあえず他のデータも測定システムにかけてみます。


(2)正常な肺音 (気管音)

気管音は頸部で聴取される音です。気管支音をより強くしたものをLOADしました。

計算終了しましたのでSAで表示しました。先頭はΦ(0)音圧レベルの時間変化です。X軸は測定開始後の時間を表示しています。測定時間は10.87秒です。

組み合わせ画像です。肺音ひとつでピークに注目しています。音声(気管音) 頸部で聴取される音で、気管支音をより強くしたものの分析グラフです。


(3)異常な肺音 (水泡音)

これは異常音です。水泡音は咳と合わせると減弱、消失したり、聴取部位が変化することが多い。肺炎、結核の症状です。正確には気管支炎、肺炎、肺結核、肺梗塞、肺化膿症、肺うっ血、肺水腫、気管支拡張症などで聴取されます。音はプツプツ、プチプチという音です。持続時間は10〜25msecです。

計算終了したのでSAで表示しました。先頭は、Φ(0)音圧レベルの時間変化です。X軸 は測定開始後の時間を表示しています。測定時間は9.75秒です。
この症状の音が持続時間が10msec以上あれば、SAでの計算条件が、積分時間10msecで、ステップが5msecごとの分析ですから、音圧レベルは平均10msecの平均音圧で、解析が5msec刻みで行いますから、水泡音の音自身の分析が充分行えるはずです。

組み合わせ画像です。肺音ひとつで、やはりピークに注目しています。音声(水泡音) の分析グラフです。

測定開始後2.25秒に発生した、プツプツ音ひとつの持続時間は25msecです。

この典型的な音は、2.25秒後の次には2.51秒後にも発生します。こちらも持続時間は25msecです。

空気が液体の上を高速で流れて、最初高い音を出して最後に低い大きな音を出すからプツという水泡音だそうです。

この音を5msec単位に分析すると、水泡音がでるまでは2kHz、3kHZの音の高さで、水泡音となると最初の10msecの平均の音質は500Hz、400Hz、300Hz、200HZと低くなります。そして、また2kHz、3kHzの音の高さが続き、水泡音になるとこれを繰り返しす。

音質的にはまったく同じですから、人が簡単に聞き分けられるはずです。コンピューターも他の音とはっきり識別可能と思われます。

April 2003 by Masatsugu Sakurai