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ベルリン・フィルハーモニーホールの残響時間をCDから測定
(ピアノ曲測定3)

聴衆はコンサートホールでは楽器の響きに、ホールの響きをプラスしたものを、その曲の響きとして聴くことが出来ます。無響室では部屋の響きが無いため、楽器自身の持ってる響きしかありません。(「ピアノ曲測定2」を参照)

ピアノ曲を高時間解像度の0.01秒の積分時間で、5/1000秒ステップで再分析した結果、音の減衰カーブの違いから音の響きのちがいを目視できました。残響時間については「オーディオ測定レポート3」を参考にしてください。

今回扱う残響時間とは定常状態の音が、入力を切られた後、60dB減衰するのにかかる時間です。これはRT60です。これに対してTsub60 残響時間とは、初期反射音が到達してから -60dB 音圧レベルが下がるのに要する時間です。考え方は部屋の中で音楽を聞く人の位置での人間が聴く音の残響の時間です。

Tsub60は実際に求めるときには、開始点を除く、最初の適切な2点を選択して、(10dB減衰程度)の残響直線を引き(残響の減衰を直線近似します、その延長線を使用して60dB減衰までの残響時間を推測します。これは残響時間の定義です。

測定結果:ピアノ τeの範囲: 20-400msec 0.1秒 音源自身の持つ響き成分

無響室と比較する意味で、コンサートホールにおける「グリーグ ピアノ協奏曲 イ短調 作品18」のベルリンフィルの録音です。

▼音源データ(waveファイル)
piano2-03.wav (690KB)

 

Iのピアノの減衰の傾きと、Rの部屋の減衰の傾きを図に書き入れてみました。

定義どおり-20dBから-30dBを直線近似して、延長した線に近いようです。10dB減衰するのに0.5秒かかれば60dB減衰には3秒かかります。ピアノの楽器そのものの減衰はIの傾きを読むと、10dB減衰するのに0.2秒ですから、60dB減衰には1.2秒かかります。この差、1.8秒が部屋の残響時間になります。

一般に残響時間は主に500Hzの周波数成分では何秒かと表します。残響時間の測定にはM系列音や、パルスを用いて測定します。べラネックの「How They Sound Concert and Opera Halls」の604ページに付録4として、これまでの数々のBERLIN PHILHARMONIE (Opened 1963、 2325 Seats)のコンピューター計測の結果が載っています。

空席状態で
1990年にBeSB、Berlinは主に500Hzで2.1秒と計測しました。
1993年に日本の竹中工務店は2.2秒を発表しています。

満席で
1964年にCremereは1.9秒
1986年に日本の橘は1.85秒
1989年に日本の松沢は1.79秒を発表しています。
歴代の測定の平均は1.85秒だそうです。

この分析法はランニングACF測定を利用した残響時間の求め方です。これはまだ誰も行っていない方法ですが、この高時間分解能な分析システムがすべてを明確にしていることは確かです。

今回の分析は、WAVEファイルを取り込んで、同じように分析していただければ、どなたでも同じ結果を出すことができます。

今回のピアノ録音を使用した、残響時間の測定の場合はコンサートホールを楽器とみなした場合、大きなベルリンの部屋には、世界最大級のカラヤンのベルリンフイルのようなフルオーケストラなら、十分なエネルギーを出力して、ホール自体を最大限に鳴らすことができますが、ピアノをソロで鳴らした場合には、当然パワー不足で、ベルリンフイルハーモニーホールのなかで、ピアノがこのように響くことがわかりました。

でもそれは逆に好都合で、それほど長い残響時間を必要としない、ピアノにはちょうどいい数字だと思います。

なお、画像と表はべラネックのつぎの著書からお借りしました。

How They Sound Concert and Opera Halls / Leo Beranek
(Published for the Acoustical Society of America through the American Institute of Physics)

April 2003 by Masatsugu Sakurai


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