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タイムアライメント、直接音、初期反射音の測定
(オーディオ測定レポート2)

前回、マイクアンプとしてDATを使用してマイク入力を適切に取り込めるようになったとレポートしました。1kHzの正弦波を出力し、84dBAの音量は騒音計でも正しいことを確認しました。A特性(A−weighninng)をかけてあります。

インパルス応答を測定してみました。

データファイル: audio2.wav (44.1kHz / Stereo / 0.372sec / 64KB)

(インパルス応答測定ウィンドウ右上の「読込」>「Waveファイル」で読み込むことができます)

ステレオ2CHで、44.1kHzのサンプリング周波数で、メジャリングタイムは0.743秒でした。サンプリングレートと2CHと重ね合わせの回数(この場合は1)を指定してオートレベルをクリックすれば、プログラムがソフトボリュームを自動調整して、測定時間も自動的に必要最小限の時間を測定します。そのため正確なインパルス応答測定を簡単に実現してくれます。

先ほどマイクアンプで入力レベルの問題をクリアしたので、なんなくインパルス応答を測定できました。データを保存します。フォルダ名を書いて新規フォルダ(New)をクリックすると新しくフォルダが作られます。

保存先のフォルダを指定してデータ名を記入してセーブします。

そしてSA(音響分析システム)で分析します。SAでは「ファイルを開く」を使用して、今セーブしたフォルダを指定します。そして、解析するデータを指定します。

次にプログラムメニューのParameterから「計算する」を選び、計算条件をセットしてデータを計算します。

分析結果を見ます、まず最初にとったデータの解析結果を見ます。解析結果のインパルス応答のページです。

ここでは初期反射音の確認をします。最初にやってくる反射波が聴感上の影響が大きいことから、初期反射音の到達時間を求めます。

初期反射音は、床の反射音を除いて、側壁からの反射音の直接波に対する遅れ時間を計算します。直接音の到達したあと、ある一定以上(ここでは3msec)時間がたってから、最初にエネルギーが最大になる時点をΔt1として、初期反射音の到達時間と呼びます。これは訂正ができます。訂正して再計算を行うことができます。3msecというのは床からの反射音を約1mとして、それ以内の反射音ははずしています。

この表示は全周波数のインパルス応答です。次は、下で全周波数のA−weghningを指定すると表示されます。

X軸方向に16倍にズームした、このインパルス応答の波形は、全周波数レベル(All)のA特性のフィルタがかかったものです。青い点線は直接音の到着時間で左耳には9.57msec(上の青線グラフ内の、青い点線)で、右耳には、9.59msec(下の赤線グラフ内の青い点線)です。全周波数レベルで、振幅最大になる、最初のピークです。その直接音の左右の時間の差は0.02msecです。これは音響パラメーターではτIACCで、オーデイオではタイムアライメントを測定したことになります。それらはランニングACF分析からも求められるので、大切なスピーカーのタイムアライメントを測定するときは、ランニングACF分析で求めることにします。またリアルタイムなアライメントの調整は、リアルタイムIACFを使用して調整します。インパルス応答測定は、スピーカーには危険(壊す可能性が高い)だからです。

人間の耳を感度であらわした、A特性が重要とするならば、この全周波数レベルのインパルス応答はこの図が表すとおり、直接音の左、9.57ms、右9.59です。初期反射音は早く到着する、赤色右側で13.49ms青色左側14.72msは、ちょうど、エネルギー計算により決定されています。

31.5Hzのインパルス応答(不明)や、

16,000Hzのインパルス応答は、インパルス応答のS/Nを下げています。これは、スピーカー KENWOOD OMNI5の周波数特性のせいなので、ここでは無視します。OMNI5もセットで数万円ですが、これよりも本格的な測定用無指向性スピーカーは100万円前後と高価です。

500HZのインパルス応答は残響時間の分析に使用する重要な周波数帯域ですが、充分な測定です。主にこのデータを分析に使用しますので、OMNI5で充分です。

4kHzのインパルス応答です。これも分析には充分です。オクターブ分析で使用する500Hz帯から、4kHz帯のインパルス応答データ(A特性)が重要です。

表示画像の見方としては、たとえば初期反射音は左は14.72msecで、右が13.49msecと、インパルス応答グラフの下の表示エリアに表示されています。さらに下の数値テーブルで、ALL(F)の行にΔt1Rは3.9msec、Δt1Lは5.15msec、Δt1LRは4.53msecであると解析されています。

スピーカーからマイクの直線距離は、左CHは310cm、右CHは326cm。スピーカーからマイクの1回反射の距離は、左CHは500cm、右CHは458cm。初期反射音の遅れ時間を距離に直すとそれぞれ190cm、132cm、154cm(LR)です。(音速340m/sec)

このインパルス応答測定は、直接音や初期反射音の自動判別ロジックを備えているので簡単です。残響時間やIACCほか、さまざまな音響パラメーターを求めることができます。

May 2003 by Masatsugu Sakurai